グループホーム介護職の仕事内容と年収の見取り図【2026年版】未経験から始める方法

グループホーム介護職の仕事内容と年収完全ガイド【2026年版】未経験から始める方法 | グループホーム イメージ


認知症高齢者が少人数で共同生活を送るグループホームは、介護業界のなかでも特に「人と深く関わる介護」ができる職場として人気があります。一方で「夜勤がきつい」「給料が安いのでは」といった不安の声も少なくありません。

ここでは、グループホームで働くことを検討している現役介護職や未経験者に向けて、仕事内容・1日の流れ・平均年収・メリット・デメリット・向いている人の特徴・求人の選び方までを、厚生労働省の最新統計をもとに体系的にまとめます。

読み終える頃には、グループホームが自分に合う職場かどうかを判断できるようになり、後悔のない転職活動の一歩を踏み出せるはずです。

この記事のポイント
  • グループホームは認知症対応型共同生活介護で、1ユニット9名以下の少人数ケアが特徴
  • 平均年収は約320万円〜360万円で、夜勤手当や処遇改善加算で他施設と同水準を確保しやすい
  • 認知症ケアのスキルが深く身につき、ケアマネ・認知症ケア専門士へのキャリアパスが描きやすい
目次

グループホームとは

グループホームとは、正式名称を「認知症対応型共同生活介護」といい、認知症と診断された高齢者が5〜9名の少人数ユニットで共同生活を送る地域密着型サービスです。介護保険法に基づき、市町村が指定・監督を行います。

大規模な特別養護老人ホームや介護老人保健施設とは異なり、家庭的な雰囲気のなかで利用者の「できること」を活かしながら自立支援を行うのが基本理念です。スタッフは利用者と一緒に料理や掃除、買い物などを行い、生活リハビリの視点で関わります。

運営主体は社会福祉法人、医療法人、株式会社、NPO法人などさまざまで、近年は民間企業の参入が増加傾向にあります。1事業所あたりのユニット数は最大3ユニット(27名)までと定められており、職員配置基準は日中3:1、夜間1ユニット1名以上が原則です。

他施設タイプとの違い

グループホームは「認知症の方限定」「少人数」「共同生活」という3点で他の介護施設と明確に区別されます。以下の表で主要な施設タイプと比較します。

施設タイプ 対象者 定員規模 特徴
グループホーム 認知症高齢者 5〜9名/ユニット 家庭的・少人数共同生活
特別養護老人ホーム 要介護3以上 50〜100名超 終の棲家・身体介護中心
介護老人保健施設 要介護1以上 80〜100名 在宅復帰・リハビリ重視
有料老人ホーム 自立〜要介護 30〜100名超 多機能・サービス幅広い
サ高住 自立〜要介護軽度 30〜60名 賃貸住宅+見守り

とくに特養との違いを意識する求職者が多いですが、グループホームは「医療依存度が低く認知症ケアに集中したい」介護職に向いた環境といえます。

このセクションのまとめ
  • グループホームは認知症対応型共同生活介護で、地域密着型サービスに分類される
  • 1ユニット最大9名の少人数体制で家庭的な雰囲気を重視する
  • 身体介護よりも生活支援と認知症ケアに比重がある

グループホームの業務内容

グループホームの業務は「身体介護」「生活援助」「認知症ケア」の3本柱で構成されます。特養のように寝たきりの方が多い環境と違い、利用者と一緒に動きながら支援するのが大きな特徴です。

1日のなかで料理・掃除・洗濯などの家事援助に多くの時間を使うため、介護技術だけでなく生活力やコミュニケーション力が問われます。

主な業務(7項目)

グループホームの介護職員が日々行う業務を、現場の比重順に書きます。

  • 食事の準備と提供:献立作成・調理・配膳・下膳まで担当することが多く、利用者と一緒に野菜を切るなどの参加型支援を行います。
  • 服薬管理と健康観察:バイタル測定、服薬介助、体調変化の記録を行い、必要に応じて主治医や訪問看護に連絡します。
  • 入浴介助:個別浴が中心で、週2〜3回程度実施します。利用者のペースに合わせてゆっくり関われるのが特徴です。
  • 排泄介助:トイレ誘導、おむつ交換、排泄リズムの記録など、自立支援を意識した関わりを行います。
  • レクリエーションと外出:散歩、買い物同行、季節行事、機能訓練的な活動を企画・実施します。
  • 掃除・洗濯などの家事援助:利用者と一緒に行い、役割や生きがいを支える狙いがあります。
  • 介護記録とケアプラン連携:1日の様子を記録し、計画作成担当者(ケアマネ)と情報共有を行います。

身体的な重介護は特養より少なめですが、認知症の周辺症状(BPSD)への対応が日常的に求められるため、観察力と対応力が鍛えられます。

1日のスケジュール例

典型的な早番・日勤・夜勤の流れを示します。事業所により多少前後します。

時間 早番(7:00〜16:00) 日勤(9:00〜18:00) 夜勤(16:30〜翌9:30)
7:00 起床介助・朝食準備
9:00 服薬・記録 申し送り・入浴介助
12:00 昼食準備・介助 昼食・口腔ケア
15:00 レクリエーション おやつ・排泄介助
17:00 退勤 夕食準備 夕食介助・服薬
21:00 退勤 就寝介助・巡視
翌6:00 起床介助・朝食準備

夜勤・シフト体制

グループホームの夜勤は1ユニット1名のワンオペが原則で、9名前後の利用者を一人で見守ります。仮眠時間が確保されている事業所が多いものの、緊急コール対応や徘徊対応もあり、責任は決して軽くありません。

シフトは「早番・日勤・遅番・夜勤」の4パターンが基本です。月の夜勤回数は4〜5回が標準で、夜勤手当は1回あたり5,000〜8,000円が相場となっています。

業務内容のまとめ
  • 身体介護2:生活援助4:認知症ケア4の比率が標準的
  • 料理・家事スキルが活きる職場
  • 夜勤はワンオペが原則のため、判断力と冷静さが求められる

グループホームの年収・給与

施設タイプ別の介護職員 平均年収特別養護老人ホーム380万円介護老人保健施設370万円有料老人ホーム360万円グループホーム340万円デイサービス330万円訪問介護320万円サ高住340万円出典:厚生労働省「介護従事者処遇状況等調査」「賃金構造基本統計調査」をもとに作成(概算)
施設タイプ別の平均年収相場(2025-2026年度概算)

「グループホームは給料が安い」というイメージを持つ方もいますが、実際には他の介護施設と比較してそれほど大きな差はありません。むしろ夜勤手当や処遇改善加算を加味すると、特養や老健と同水準に達することもあります。

平均年収

厚生労働省「令和5年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)で働く介護職員(常勤・月給制)の平均月給は約27.8万円、賞与を含めた平均年収は約340万円〜360万円とされています。

これは全産業平均と比較するとやや低い水準ですが、近年は介護職員等処遇改善加算の拡充により、年収ベースで20〜30万円底上げされる傾向にあります。

出典:厚生労働省「令和5年度介護従事者処遇状況等調査結果」、厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」

職種別年収

同じグループホーム内でも、保有資格や役職によって年収は大きく変わります。

職種・資格 平均月給(常勤) 推定年収
介護職員(無資格) 約24.5万円 約290万円〜310万円
介護職員初任者研修 約25.8万円 約310万円〜330万円
介護福祉士 約28.5万円 約350万円〜380万円
計画作成担当者(ケアマネ) 約30.2万円 約370万円〜410万円
管理者(ホーム長) 約34.5万円 約430万円〜500万円

介護福祉士を取得すると月額1.5〜3万円の資格手当がつく事業所が多く、年収ベースで20〜40万円のアップが見込めます。

他施設タイプとの年収比較

同じ介護福祉士の常勤職員で比較した場合の目安は下記で整理します。

施設タイプ 平均年収(介護福祉士) 夜勤手当相場
特別養護老人ホーム 約370万円〜400万円 6,000〜8,000円
介護老人保健施設 約360万円〜390万円 6,000〜7,500円
グループホーム 約350万円〜380万円 5,000〜8,000円
有料老人ホーム 約340万円〜380万円 5,000〜7,000円
デイサービス 約310万円〜340万円 夜勤なし

グループホームは「夜勤あり施設のなかでは中位」というポジションです。デイサービスより年収は高く、特養よりやや低い、というのが一般的な相場感となります。

年収アップの方法

グループホームで年収を伸ばすには、資格取得・役職登用・転職の3ルートがあります。

  • 介護福祉士の取得:実務3年+実務者研修+国家試験合格で取得可能。月1.5〜3万円の手当増。
  • 認知症ケア専門士・認知症介護実践者研修:グループホームと相性がよく、5,000〜10,000円の資格手当が出る事業所もあります。
  • 計画作成担当者・管理者へのキャリアアップ:ケアマネ取得後に計画作成担当者となり、最終的に管理者を目指すと年収400万円超が現実的です。
  • 処遇改善加算の手厚い法人へ転職:同じ職位でも法人によって年収に30〜50万円の差が出ることがあります。
年収のまとめ
  • 平均年収は約340万円〜360万円で、夜勤手当と処遇改善加算で底上げされる
  • 介護福祉士取得で年収+20〜40万円が現実的
  • 管理者まで上がれば年収430万円〜500万円も狙える

グループホームで働くメリット・デメリット

グループホームならではの働き方の魅力と、事前に知っておくべき注意点を整理します。キャリア観点での評価もあわせて確認してください。

メリット

  • 少人数のため、利用者一人ひとりとじっくり向き合える
  • 身体介護の負担が比較的軽く、腰痛などの身体的負担が少ない
  • 認知症ケアの専門スキルが深く身につく
  • 料理・家事など生活全体に関わるため仕事の幅が広い
  • 夜勤手当・処遇改善加算で年収が底上げされやすい

デメリット

  • 夜勤がワンオペで、緊急時の判断を一人で迫られる
  • 看護師常駐ではないため、医療的ケアに不安を感じる場面がある
  • 少人数ゆえに人間関係が固定化しやすい

キャリア観点での評価

グループホームでの経験は、認知症ケア専門士やケアマネジャー、認知症対応型サービス管理者研修などへのステップとして高く評価されます。とくに今後の介護業界では認知症ケアの需要が増大するため、グループホーム経験者の市場価値は年々高まっています。

一方で、医療依存度の高い利用者ケアや看取りケアの経験を積みたい場合は、特養や老健での経験も並行して検討すべきです。

グループホームに向いてる人・向いてない人

適性は転職後の定着率を大きく左右します。自身の特性と照らし合わせて検討してください。

向いてる人

  • 認知症の方とじっくり関わるのが好きな人
  • 料理や家事が得意・好きな人
  • 大規模施設の流れ作業的な介護に違和感を覚えた人
  • 一人で考えて動ける自律性のある人
  • 生活全体を支える「暮らしの介護」に共感できる人

向いてない人

  • 常にチームで動きたい人(ワンオペ夜勤が負担になりやすい)
  • 医療的ケアやリハビリ志向が強い人
  • 大人数でのレクや行事を企画したい人
  • 認知症の周辺症状への対応に強いストレスを感じる人

未経験でも「人と話すのが好き」「家事に苦がない」方は、グループホームから介護のキャリアを始めるのに適しています。

グループホームの求人を見つけるには

グループホームは全国に約1.4万事業所あり、求人数自体は豊富です。ただし事業所ごとの当たり外れが大きいため、選び方の手順を押さえることが重要です。

求人の探し方3STEP

STEP1
希望条件を明確化する

勤務地・夜勤回数・希望年収・通勤時間・法人規模など、譲れない条件と妥協できる条件を3:7で書き出しましょう。条件があいまいだと求人比較ができません。

STEP2
介護専門の転職サイトに複数登録

介護職専門のエージェントは事業所の内情(離職率・人間関係・有給消化率)を把握していることが多いため、2〜3社の併用が効果的です。求人票だけでは見えない情報を取りに行きましょう。

STEP3
必ず見学・面接で現場を確認

グループホームは少人数のため、職場の空気が利用者に直接伝わります。見学時はリビングの清潔感、職員の表情、利用者の落ち着き具合を必ずチェックしてください。

失敗しない選び方5項目

  • 離職率と平均勤続年数:勤続3年未満の職員が大半の事業所は要注意。
  • 夜勤体制と仮眠の確保:仮眠スペースの有無、緊急時のオンコール体制を確認。
  • 処遇改善加算の取得状況:加算I取得事業所を優先したい。
  • 研修制度:認知症介護実践者研修・実践リーダー研修の受講支援があるか。
  • 運営法人の経営状態:直近3年の事業所数推移、決算情報を可能な範囲で確認。

よくある質問

Q. グループホームは未経験・無資格でも働けますか?
はい、未経験・無資格からの採用を行うグループホームは多数あります。ただし夜勤に入るためには介護職員初任者研修以上の取得を求められるケースが一般的です。入職後に費用補助で資格取得できる事業所も増えており、まず日勤専従でスタートし、研修修了後に夜勤デビューする流れが標準的なキャリアパスとなっています。
Q. 夜勤のワンオペは本当にきついですか?
業務量自体は特養の夜勤より軽めですが、9名の利用者を1人で見守る精神的責任は大きく、感じ方には個人差があります。夜間の徘徊・排泄・体調急変に1人で初期対応する必要があるため、判断力と冷静さが求められます。オンコール体制が整い、看護師に24時間相談できる事業所を選ぶことで負担を大幅に軽減できますので、見学時に必ず確認しましょう。
Q. 看取りケアは行いますか?
近年は看取り介護加算を算定するグループホームが増加しており、最期まで住み慣れたホームで過ごしたいという利用者・家族の希望に応える事業所が増えています。協力医療機関や訪問看護との連携体制が整っている事業所であれば、看取り経験を積むことが可能です。看取り未対応の事業所もあるため、求人票や面接で必ず確認することを選択肢に入れたいところです。
Q. 特養や有料老人ホームと迷っています。違いを教えてください。
特養は要介護3以上の重度者中心で身体介護のウエイトが大きく、有料老人ホームは自立から要介護まで幅広い層に多機能サービスを提供します。グループホームは認知症高齢者に特化し、家事を含む生活全般に関わるのが大きな違いです。認知症ケアを深く学びたいならグループホーム、医療依存度の高いケアを学びたいなら特養や老健が適しています。
Q. グループホームからのキャリアアップ先は何がありますか?
代表的なキャリアパスとして、計画作成担当者(ケアマネ)→ホーム長(管理者)→エリアマネージャー→法人本部、というルートがあります。また認知症ケアの専門性を活かして認知症ケア専門士、認知症対応型サービス事業管理者研修修了、認知症介護指導者などの専門職を目指す道もあります。同じ法人内で他施設タイプを経験して幅を広げる方も多くいます。

グループホームまとめ

グループホームは認知症高齢者と少人数で家庭的な暮らしを共に作る、介護職にとってやりがいの大きい職場です。身体介護の負担が比較的軽く、認知症ケアの専門スキルが深く身につくため、長期的なキャリア形成にも適しています。

一方で夜勤のワンオペや医療的ケアの限界など、事前に把握しておくべき特性もあります。求人選びでは離職率・夜勤体制・処遇改善加算・研修制度を必ず確認し、複数の介護専門エージェントを併用して情報を集めましょう。

ここのサマリー
  • グループホームは認知症対応型共同生活介護で、1ユニット9名以下の少人数ケア
  • 平均年収は約340万円〜360万円、介護福祉士取得で年収+20〜40万円
  • 認知症ケアの専門性が高まり、ケアマネ・管理者へのキャリアアップが描きやすい
  • 求人選びは離職率・夜勤体制・処遇改善加算の3点を必ず確認

執筆者:介護キャリア編集部(介護福祉士・社会福祉士の有資格者を含む編集チーム)

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この記事を書いた人

介護福祉士・ケアマネジャー・看護師・施設長など、現場経験のある執筆者と編集者で構成された編集部です。一次情報と公的データ(厚生労働省・WAM NET・各種白書)を裏取りした上で、現場の体感に近い言葉で記事をまとめています。

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