理学療法士(介護)の年収・仕事内容・なり方ガイド【2026年版】

理学療法士(介護)の年収・仕事内容・なり方完全ガイド【2026年版】 | 理学療法士 イメージ


「理学療法士として介護分野で働くと、年収はどのくらい?」「病院勤務とどう違うの?」と悩む方は少なくありません。ひとことで言えば、介護分野の理学療法士の平均年収は約429万円で、夜勤がなくワークライフバランスを取りやすい一方、機能訓練指導員として高齢者のADL(日常生活動作)改善に深く関われるやりがいがあります。

この記事では、厚生労働省の公的統計をもとに、理学療法士(介護)の仕事内容・年収・資格取得ルート・キャリアパス・求人の見つけ方までを、現役介護職や未経験者の視点で順番に順番に説明します。読み終えた頃には、自分が介護分野の理学療法士として働くべきか、どのようにキャリアを描くべきかが明確になっているはずです。

この記事のポイント
  • 介護分野の理学療法士の平均年収は約429万円、デイサービス・老健・特養など施設別で50万円以上の差がある
  • 国家資格「理学療法士」が必須で、養成校(3年制または4年制)→国家試験合格→介護施設勤務というルートが基本
  • 夜勤なし・残業少なめで働きやすい一方、求人数は病院勤務より少なく、機能訓練指導員枠を狙うのが攻略法
目次

理学療法士(介護)とは

理学療法士(PT:Physical Therapist)は、理学療法士及び作業療法士法(昭和40年法律第137号)に基づく国家資格です。同法第2条において、理学療法とは「身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マッサージ、温熱その他の物理的手段を加えること」と定義されています。

介護分野における理学療法士は、医療機関ではなく介護保険サービス事業所(介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、デイサービス、訪問リハビリテーションなど)に勤務し、高齢者の自立支援・ADL(日常生活動作)の維持向上を目的としたリハビリテーションを提供する専門職です。

近年、地域包括ケアシステムの推進に伴い、介護分野での理学療法士のニーズは年々高まっています。厚生労働省の発表によれば、2025年には団塊世代が全員75歳以上の後期高齢者となり、介護リハビリの需要はさらに拡大すると見込まれています。

介護分野での理学療法士の業務範囲

  • 高齢者一人ひとりのADL(日常生活動作)評価とケアプラン連動の機能訓練計画作成
  • 立ち上がり・歩行・移乗動作などの基本動作訓練、関節可動域訓練、筋力強化訓練
  • 福祉用具(杖・歩行器・車いす)の選定・適合調整、住宅改修の助言
  • 介護スタッフへの介助技術指導、ボディメカニクスの教育
  • 家族への在宅リハビリ指導、退所・退院前の生活環境アドバイス

他職種との違い

介護現場では理学療法士のほかにも、作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)・機能訓練指導員などのリハビリ関連職種が活躍しています。それぞれの違いを以下の表で確認しましょう。

職種 主な役割 国家資格 介護分野の年収目安
理学療法士(PT) 基本動作(立つ・歩く)の回復 必須 約400〜470万円
作業療法士(OT) 応用動作(食事・更衣など)の回復 必須 約390〜460万円
言語聴覚士(ST) 嚥下・発声・コミュニケーション支援 必須 約380〜450万円
機能訓練指導員 デイサービス等での集団・個別機能訓練 PT/OT/ST/看護師等の資格保持者が兼務 約350〜450万円

理学療法士は「立つ・歩く・座る」といった基本動作の専門家として位置づけられ、介護分野では特に転倒予防や寝たきり予防のために重要な役割を担います。一方、作業療法士は更衣や食事といった応用的な日常生活動作を担当するため、現場では両者が連携してリハビリプログラムを構築するのが一般的です。

このセクションのまとめ
  • 理学療法士は国家資格で、基本動作の回復を専門とする
  • 介護分野では機能訓練指導員として配置される場面が多い
  • OT・STと連携し、高齢者の自立支援を多角的に支える

理学療法士(介護)の仕事内容

介護分野の理学療法士は、医療機関でのリハビリとは異なり「治す」よりも「維持する・できることを増やす」視点での支援が中心になります。利用者の生活そのものを支えるため、医療職としての専門性とともに、介護職としての視野の広さが求められます。

主な業務(7項目)

① 利用者アセスメントと個別機能訓練計画の作成:入所・利用開始時に身体機能・認知機能・生活環境を多面的に評価し、ケアマネジャーと連動して個別機能訓練計画書を作成します。3か月ごとの再評価が原則です。

② 個別リハビリテーションの実施:1回20分程度のマンツーマン訓練を1日6〜10件提供します。可動域訓練・筋力訓練・歩行訓練が中心です。

③ 集団体操・レクリエーション:デイサービスや老健では、5〜20名規模の集団体操を担当することもあります。転倒予防体操や口腔体操が定番です。

④ 福祉用具・住環境の調整:杖・歩行器・車いすの選定、ベッドの高さ調整、手すりの設置位置の助言など、生活環境全般のアドバイスを行います。

⑤ 介護スタッフへの技術指導:移乗介助・体位変換のボディメカニクス、車いす操作、ポジショニングなどを介護職員に指導し、施設全体のケアの質を底上げします。

⑥ カンファレンス・サービス担当者会議への参加:医師・看護師・ケアマネ・家族などとの多職種連携の場で、リハビリ視点からの意見を提示します。

⑦ 家族支援・退所支援:在宅復帰を目指す利用者の家族に対し、自宅での介助方法や住宅改修のアドバイスを行います。

1日のスケジュール(介護老人保健施設の例)

時間 業務内容
8:30 出勤・申し送り・カルテ確認
9:00〜12:00 個別リハビリ(1人20分×8件)
12:00〜13:00 休憩
13:00〜13:30 集団体操の実施(食堂にて)
13:30〜16:30 個別リハビリ(午後の部)・介護スタッフ指導
16:30〜17:30 カルテ記録・計画書更新・カンファレンス
17:30 退勤

夜勤・シフト実態

介護分野の理学療法士は、原則として夜勤がありません。これが病院勤務と並ぶ大きな魅力の一つです。多くの施設で日勤のみの勤務体系(8:30〜17:30など)が採用されており、土日祝に営業するデイサービスではシフト制で土日出勤がある場合もありますが、平日休みを取得しやすいメリットがあります。

残業時間も病院に比べて少なく、月10時間以下というケースが多いです。育児や介護と両立しやすく、プライベートを重視したい理学療法士にとって魅力的な就業環境といえます。

現場の体験談

「老健で働いて5年目になります。病院時代は急性期のリハビリで時間に追われていましたが、介護分野では利用者一人ひとりとじっくり向き合えるのが嬉しいですね。退所して自宅に戻る方の家族指導も担当でき、生活全体を支えている実感があります。」(30代女性・理学療法士・介護老人保健施設勤務)

理学療法士(介護)の年収・給与

介護関連職種の平均年収比較ケアマネ429万円介護福祉士380万円看護師480万円PT/OT410万円介護職員(初任者)320万円生活相談員360万円施設長600万円出典:厚生労働省「介護従事者処遇状況等調査」「賃金構造基本統計調査」をもとに作成(概算)
職種別の平均年収相場(2025-2026年度概算)

平均年収

厚生労働省「賃金構造基本統計調査(令和5年)」によれば、理学療法士・作業療法士の平均年収は約429万円(月収約30.7万円+賞与約59.8万円)です。介護分野に限定すると、医療機関勤務よりやや低めで約400万円〜450万円のレンジに収まる傾向があります。

出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」(理学療法士、作業療法士)

年齢別年収

年代 平均年収 月収目安
20代前半 約340万円 約24万円
20代後半 約390万円 約27万円
30代 約430万円 約30万円
40代 約470万円 約33万円
50代 約500万円 約35万円
60代以降 約430万円 約30万円(再雇用)

出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」を基に編集部で算出

施設タイプ別年収

施設タイプ 平均年収 特徴
介護老人保健施設(老健) 約430〜470万円 リハビリ職の配置義務があり需要安定
特別養護老人ホーム(特養) 約400〜440万円 機能訓練指導員として1名配置
デイサービス(通所介護) 約380〜430万円 日勤のみ、土日勤務あり
訪問リハビリテーション 約420〜500万円 歩合制で収入アップしやすい
有料老人ホーム 約400〜460万円 大手法人ほど待遇良好

出典:厚生労働省「令和5年度介護従事者処遇状況等調査結果」および介護労働安定センター「令和5年度介護労働実態調査」

他職種との比較

職種 平均年収 備考
理学療法士(介護) 約429万円 夜勤なし
看護師(介護施設) 約480万円 夜勤あり、夜勤手当含む
介護福祉士 約364万円 夜勤あり
ケアマネジャー 約410万円 事務業務中心
作業療法士(介護) 約420万円 PTとほぼ同水準

出典:厚生労働省「令和5年度介護従事者処遇状況等調査結果」

年収アップ5つの方法

① 認定理学療法士・専門理学療法士を取得する:日本理学療法士協会の認定制度で、老年医学領域や運動器領域の認定を取得すると、施設からの評価が高まり、月1〜3万円の資格手当が付くケースがあります。取得には所定の研修と症例提出、試験合格が必要です。

② 訪問リハビリテーションに転職する:訪問リハは1件あたりの単価が高く、件数に応じたインセンティブがある事業所も多いため、月収40万円超を狙えます。歩合制を採用する事業所では、年収500万〜600万円も現実的です。

③ 管理職(リハビリ部門長)を目指す:5年以上の経験を積み、リハビリ部門の主任・部門長になると、役職手当として月3〜8万円が加算されます。マネジメント力と臨床力の両方が求められます。

④ 大手・上場企業系列の有料老人ホームに転職する:ベネッセスタイルケア、SOMPOケア、ニチイ学館などの大手法人は、福利厚生と給与水準が高めです。賞与4か月以上、退職金制度あり、住宅手当ありなど、総支給額で50万円以上アップするケースもあります。

⑤ ケアマネジャー資格を併取する:理学療法士として5年以上の実務経験を積めば、介護支援専門員(ケアマネ)の受験資格が得られます。リハ職+ケアマネのダブルライセンスは希少価値が高く、施設管理職や独立開業の道も開けます。

理学療法士(介護)になるには(資格・ルート)

必要な資格と要件

介護分野で理学療法士として働くには、国家資格「理学療法士」の取得が必須です。受験資格を得るには、文部科学大臣指定の学校または厚生労働大臣指定の養成施設で、3年以上理学療法士に必要な知識・技能を修得する必要があります(理学療法士及び作業療法士法第11条)。

養成校には、4年制大学・3年制短期大学・3年制または4年制専門学校があります。社会人入学者も多く、夜間部を設置する養成校も存在します。

3つの取得ルート

ルート1:高校卒業後に4年制大学へ進学

まず
高校卒業・大学受験

理学療法学科のある4年制大学を受験し合格する。学費は国公立で年50〜60万円、私立で年130〜180万円程度。

次に
大学で4年間学ぶ

解剖学・生理学・運動学などの基礎医学、評価学・治療学などの専門科目を学習。3〜4年次に病院・施設での臨床実習が約20週間あり。

最後に
国家試験受験・合格

毎年2月に実施される理学療法士国家試験に合格。介護施設に新卒入職する。

ルート2:高校卒業後に3年制専門学校へ進学

そのあと
専門学校入学

3年制理学療法士養成校を受験。学費は年100〜150万円程度。最短で資格取得できる。

仕上げに
3年間の集中カリキュラム

大学より短期間で同等の知識を習得。実習も含めカリキュラムは過密になりがち。

STEP3
国家試験合格・就職

22歳前後で資格取得し、介護分野または医療分野へ就職。

ルート3:社会人から夜間部や通信制を活用

STEP1
夜間部のある専門学校を選ぶ

働きながら通える夜間部を設置する養成校(4年制)を受験。教育訓練給付金制度の対象校もある。

STEP2
働きながら4年間通学

日中は介護助手等として働き、夕方17:30〜21:30に授業。実習期間中は休職または退職するケースが多い。

STEP3
国家試験合格・キャリアチェンジ

介護現場での実務経験を活かし、リハ職として転身。30〜40代でのキャリアチェンジ事例が増えている。

試験の概要・合格率

実施回 受験者数 合格者数 合格率
第59回(2024年) 12,629人 11,266人 89.2%
第58回(2023年) 12,948人 11,312人 87.4%
第57回(2022年) 12,685人 10,096人 79.6%
第56回(2021年) 11,946人 9,434人 79.0%
第55回(2020年) 12,283人 10,608人 86.4%

出典:厚生労働省「理学療法士国家試験合格発表」各年度

合格率は概ね80〜90%で推移しており、養成校でしっかり学習すれば合格は十分可能です。ただし、新卒の合格率は約95%と高い一方、既卒者の合格率は40〜50%と大きく下がるため、現役合格を目指すのが王道といえます。

実務経験の積み方

新卒で介護分野に直行するルートと、まず病院(急性期・回復期)で2〜3年経験を積んでから介護分野へ転職するルートがあります。後者の方が幅広い疾患の知識を得られるため、転職市場での評価は高くなる傾向があります。一方で、最初から在宅復帰支援に特化したい場合は老健への新卒入職もキャリアパスとして有効です。

理学療法士(介護)のキャリアパス

一般的なキャリアパス3段階1〜3年現場実務基礎技術習得資格取得準備4〜7年リーダー職OJT指導チーム運営8年以降管理職/専門職施設長/相談員独立も視野
経験年数に応じたキャリア発展の例(モデルケース)

5年後・10年後

介護分野で5年程度経験を積むと、リハビリ部門の主任・係長クラスへの昇進機会が訪れます。10年目以降はリハビリ部門長や施設管理者を目指せるほか、認定理学療法士(老年期領域など)の取得で専門性を高めるキャリアも王道です。さらに、訪問リハビリ事業所の管理者や、独立開業(自費リハビリ施設・介護予防教室)といった選択肢もあります。

年収1,000万を目指すには

雇用されている理学療法士で年収1,000万円に到達するのは現実的には難しく、独立または管理職を経て複数事業所を統括するポジションを得る必要があります。具体的な戦略としては、(1)訪問リハステーションの開業、(2)自費リハビリ・パーソナルトレーニング事業の立ち上げ、(3)介護施設運営法人の役員昇進、(4)講師業・執筆業との複業、などが挙げられます。

他資格との組合せ

理学療法士の活躍の幅を広げる関連資格として、ケアマネジャー(介護支援専門員)、福祉住環境コーディネーター2級以上、認定理学療法士(老年期)、福祉用具専門相談員、認知症ケア専門士などがあります。特にケアマネ資格は、ケアプラン作成・相談業務へのキャリア転換が可能で、年収アップにつながりやすい組合せです。

理学療法士(介護)に向いてる人・向いてない人

  • 高齢者と関わるのが好きで、ゆっくりとしたペースでじっくり機能改善に取り組みたい人。介護分野は急性期と異なり、長期的な視点でADLを支える仕事です。
  • 多職種連携を楽しめるコミュニケーション能力がある人。医師・看護師・介護士・ケアマネ・家族との調整力が日常業務の質を左右します。
  • 夜勤を避け、ワークライフバランスを重視したい人。育児や介護と両立しやすく、長く続けやすい職場環境です。
  • 「治す」だけでなく「生活を支える」ことに意義を感じられる人。完治しない疾患や進行性の状態にある利用者と向き合うため、共感力が必要です。
  • 地域包括ケアや在宅復帰支援に関心がある人。家族指導や住環境調整など、生活全般に関わる支援にやりがいを感じます。
  • 急性期の高度な治療技術や最新リハ手技を追求したい人は、回復期リハビリ病院や急性期病院の方が向いています。
  • 短期間で目に見える成果を出したい人。介護分野は維持期が中心で、機能改善のスピードが緩やかな場合が多いです。
  • 人と接するのが苦手で、機械的に業務をこなしたい人。利用者・家族・スタッフとの密な関わりが避けられません。

理学療法士(介護)の求人を見つけるには

STEP1
希望条件を整理する

施設タイプ(老健・特養・デイ・訪問リハ)、年収レンジ、勤務地、勤務時間、休日数、福利厚生などの優先順位を明確にする。家族との生活スタイルとの両立も考慮する。

STEP2
複数の求人媒体に登録する

介護専門エージェント(PTOTSTワーカー、マイナビコメディカル、レバウェルリハビリ等)と、ハローワーク、施設の直接応募ページの3経路を並行利用する。非公開求人にもアクセスできるエージェント活用が効率的。

STEP3
見学・面接で職場を見極める

必ず職場見学を申し込み、リハビリ室の設備、スタッフ間の雰囲気、利用者の表情を確認する。面接では離職率・残業時間・有給取得率などリアルな数字を質問する。

失敗しない選び方(5項目)

① 法人の経営基盤を確認する:医療法人・社会福祉法人の決算公告や、運営実績年数をチェック。介護報酬改定の影響を受けやすい業界のため、財務健全性は重要です。

② リハビリ職員数と一人当たり単位数を確認する:少人数で多くの単位を回している施設は離職率が高い傾向があります。1日18単位(6時間)以下を目安にしましょう。

③ 教育・研修制度の充実度:新卒・若手向けの教育プログラム、外部研修参加費補助、認定資格取得支援などの制度を確認します。

④ 残業時間と有給取得率:月平均残業10時間以下、有給取得率70%以上が目安。求人票の記載と実態が異なるケースもあるため、面接で具体的に確認しましょう。

⑤ 多職種連携の風土:介護スタッフや看護師との関係性、カンファレンスの実施頻度などから、チームワーク文化を見極めます。見学時の挨拶や雰囲気が判断材料になります。

介護転職エージェントの活用

介護分野に特化した転職エージェントを利用すると、(1)非公開求人へのアクセス、(2)給与・条件交渉の代行、(3)面接日程調整、(4)内部情報(離職率・人間関係)の提供、(5)書類添削など、自分一人では得難いサポートを無料で受けられます。特に初めての転職や子育て中で時間が取れない方には、エージェントの活用が時間効率の面でも非常に有効です。

エージェントは1社だけでなく2〜3社併用するのがコツです。同じ求人でも紹介手数料の違いから、エージェント独自の交渉余地がある場合があり、複数比較することで条件改善のチャンスが広がります。

よくある質問

Q. 病院勤務から介護分野へ転職すると年収は下がりますか?
回復期リハビリ病棟など好待遇の病院から転職する場合、年収は20〜50万円ほど下がるケースが一般的です。一方、急性期病院から老健への転職では同水準を維持できることもあります。ただし、夜勤手当や残業代がなくなる分、時給換算では介護分野の方が高くなることも珍しくありません。総支給額だけでなく、労働時間・休日数・福利厚生を含めた総合判断が重要です。
Q. 未経験で介護分野の理学療法士になれますか?
理学療法士の資格があれば、新卒・既卒・他分野からの転職問わず、介護分野での就業は可能です。むしろ介護施設は新人教育に時間をかける余裕がある場合が多く、未経験者を歓迎する求人も豊富にあります。ただし、急性期医療の経験ゼロだと評価・治療の引き出しが少ないため、最初の3年は病院勤務でベースを作ってから介護分野へ移ることをおすすめする声も現場では多く聞かれます。
Q. 機能訓練指導員と理学療法士は同じですか?
機能訓練指導員は介護保険法に基づく職種名であり、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・看護師・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師などの有資格者が兼任する役割です。つまり、理学療法士が介護施設で配置される際は「機能訓練指導員」というポジション名になることが多く、業務内容は同じものです。求人検索の際は両方のキーワードでチェックすると見落としを防げます。
Q. 訪問リハビリと施設リハビリ、どちらが稼げますか?
短期的な月収という観点では、訪問リハビリの方が稼ぎやすい傾向があります。1件あたり40〜45分の訪問で歩合制を採用する事業所が多く、件数次第で月収40万円超も可能です。一方、施設リハビリは固定給で安定性が高く、長期的なキャリア形成や管理職昇進では強みがあります。体力的な負担と移動の手間を考慮し、ライフスタイルに合った働き方を選ぶのが正解です。
Q. 介護分野で働く理学療法士の将来性はありますか?
非常に高い将来性があります。厚生労働省の推計では、2025年に高齢者人口は約3,677万人、2040年には約3,920万人に達する見込みです。介護リハビリの需要は今後も拡大が確実で、地域包括ケアシステムの中核として理学療法士の役割は重要度を増しています。介護予防事業や自立支援型ケアの推進に伴い、施設・在宅・地域の各場面で活躍の場は広がり続けるでしょう。

執筆者:介護キャリア編集部(介護福祉士・社会福祉士の有資格者を含む編集チーム)

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この記事を書いた人

介護福祉士・ケアマネジャー・看護師・施設長など、現場経験のある執筆者と編集者で構成された編集部です。一次情報と公的データ(厚生労働省・WAM NET・各種白書)を裏取りした上で、現場の体感に近い言葉で記事をまとめています。

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